社会人としての考えを創る就職活動

就職活動は人間性教育と考える就職担当の話

伝えたいという気持ちと伝えるテクニック

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❖面接でのプレゼンテクニック満載の「映画の予告編」

毎年、この時期の面接対策の講義で、面接でのプレゼンテクニックの話をします。テクニックの話はあまり好きではないのですが、伝える力は伝えたいという気持ちを持つことと同じくらいに、伝えるテクニックも大切と考え少し紹介します。

まずは、次の2つの映像をご覧ください。

www.youtube.com

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よく、秀逸な自己PRとして映画の予告編を学生に紹介しますが、この2つは紹介する中で私が最も好きなものととなります。1分程度の短い時間の中で、本編を見たいと心から思わせるこれらの動画と同じように自己PRできたら最高です。ルーキーズはSDS法・魔女の宅急便は時系列法というでプレゼンした例となります。SDS法・時系列法については後日解説するとして、本日は学生がやりがちなプレゼンと、なぜそれがいけないのかについておはなしします。

❖学生がやりがちな自己PR

ルーキーズ卒業に出てくるニコタマ野球部部員の自己PR①

私の長所はあきらめないことです。高校時代野球部では甲子園を目指し、苦しいこともありましたが、様々な努力を続けました。最後まであきらめなかった結果、甲子園に出場できました。

魔女の宅急便の主人公「キキ」の自己PR①

私の長所はあきらめないことです。一人前の魔女を目指し、苦しいこともありましたが、様々な努力を続けました。最後まであきらめなかった結果、人命救助もできました。

さて、2つの自己PRを見てどう思いましたか?「高校時代野球部では甲子園を目指し」が「一人前の魔女を目指し」に変化し「甲子園に出場」が「人命救助も」に変化しただけで、他の部分は同じものです。この自己PR少しだけ文章を変化させれば、どんな人でも使えます。

例えば、私の自己PR

私の長所はあきらめないことです。学生全員が幸せな就職をすることを目指し、苦しいこともありましたが、様々な努力を続けました。最後まであきらめなかった結果、学生の就職率100%を達成することができました。

実はこの文章、自己PRとして何も言っていないのと同じなのです。「様々な努力」これでは何を行ったかわかりません。「最後まであきらめなかった結果」どんな考えでどのようにあきらめなかったかわかりません。つまり、この自己PRは具体的とは言えないのです。少し変化させただけで誰でも使える自己PRはPRになっていないと考えてください。大事なのは「様々」を具体例(どのような行動をしたか)であげること。その時の考えを伝えること。つまり、何を何故そうしたかです。

❖面接官のことを考えた状況説明と場面ピックアップ

この、2つの自己PRを次のように変えるとどうでしょうか

ルーキーズ卒業に出てくるニコタマ野球部部員の自己PR②

「あきらめない気持ちが成功を創る」高校時代野球部で培った信念です。365日毎日6時間の練習。「一緒に行こうな」を合言葉に頑張った日々。指の骨折を隠し試合に出ようとした時の「お前だけが痛いんじゃない皆が痛いんだ」という仲間の言葉。勝ち取った甲子園が私の誇りです。

魔女の宅急便の主人公「キキ」の自己PR②

一人前の魔女を目指し、空飛ぶお届け便が生業でした。飛べずに、箒と一緒に心が折れた日。「箒が運ぶんじゃない私が運ぶんだ」という気持ちで取り組んでいきました。嵐の時、風速30mの中、遭難者救出した時の「あきらめなければ何でもできる」という気持ちは忘れることができません。

さて、このような自己PRは状況説明や場面が入っているため、パーソナルなものとなり他の人が使うことはできません。このような自己PRが良い自己PRだと私は考えます。

人は仲間としゃべるときわかり合っていることを前提に話をします。そして、学生時代はそれで通じます。しかし、初対面の自分を全く知らない人に対してプレゼンするときには、相手の立場を考えて文章構成する必要があります。

新卒の面接の場合、考え方や、モチベーションの泉源が知りたいわけですから、状況を出来るだけ簡潔に客観的に説明するための「365日毎日6時間の練習」「風速30m」などの数字や「指の骨折」などの状況を説明する言葉。さらには、考え方やモチベーションの泉源を示唆する友人の言葉や自分の考えなどの場面。これらを提示することが面接官のニーズに合致します。

そのように考えて、皆さんも自分だけの自己PRを是非作ってください。

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