社会人としての考えを創る就職活動

就職活動は人間性教育と考える就職担当の話

なんで!なんで!なんで!深堀をしてみよう「あなたにとって仕事とは」

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迷える子羊をいじってみた

「あなたにとって仕事とは」という問いに対して前回のブログでは「自分で考えろ」で終わってみました。「でもどうやって...」実際に前回のブログで紹介した学生は「迷える子羊」オーラ全開になってしまいました。たしかに、そうですよね…今まで考えたことないですよね。そこで、まずは本音を教えてくれるようにお願いしました。

「でも...本音で語ると仕事はお金を稼ぐ行為以外に思いつかない」学生は言います。それはそうだと思います。学生が経験している仕事をイメージ出来る行為はアルバイトくらいです。アルバイトを始める動機としては「お金を稼ぎたい」というのは当たり前ですから、そうなるのも当たり前です。そこで、もう少し質問をしてみました。「仕事に就きたいと考えている?」この質問に対しては、何言っているんですか、という顔で「当然じゃないですか」と答えてきます。「何故、仕事に就きたいの」としつこく訊き続けます。ちなみに私は学生から「なんで、なんで、なんで、なんで...としつこく訊いてくる嫌なおやじ」という評価を受けています。学生は、また来たぁ!!という表情で「だから、きちんとお金を稼いで、独り立ちして、親を安心させて、周りから認められて...」と半分怒り気味です。

自分の考えを深堀するための「なんで??」

さて、このあたりでこの学生にとっての仕事の意義がいくつか出てきました。「お金を稼ぐ」「独り立ちする」「親を安心させる」「周りから認められる」などなど...例えば「お金を稼ぐ」理由はより良い生活を送るため。「独り立ちする」は自分の責任で生活をすること。「親を安心させる」「周りから認められる」は信頼を得るため。それぞれ大切なことです。この中で自身にとっての順位をつけてそれを深堀してみたらどうでしょう。ここでも「なんで、なんで、なんで」と自分自身に問いかけていきます。

 さて、もっと深堀!!

例えば「お金を稼ぐ」であれば、それが自分にとってどういうことなのか、その為に必要なことは何だろうと考えてください。また「お金を稼ぐ」先にある目的についても考えます。それがより良い生活や幸せな人生であれば、自分にとってのより良い生活や幸せな人生についてもどのようなものかを考えてみてください。その上で「あなたにとって仕事とは」を考えると自分なりのものが出来るのではないでしょうか。

まず、「お金をたくさん稼ぐためには?」という視点で考えてみます。例えば、「与えられた仕事に責任をもって必ず成功させることが評価につながり、お金を沢山稼ぐことが出来る」という考え方。また、「お客様からの信頼が売上げにつながり、売上を上げ続けることが報酬につながる」という考え方、などなど色々な考え方が出来ます。前者であれば「仕事とは責任をもって成し遂げることによって、自らの成長(成長の結果が報酬となる)を創るものである」となり、後者では「仕事とは取り組むことによって周りからの信頼を創り、その信頼が最終的に自分にかえってくるものである」となるでしょうか。

また、「お金を稼ぐ」先にある「より良い生活や幸せな人生」という目的であれば、お金だけではないことに気付くのではないでしょうか。当然お金も大切ですが、周りから必要とされること、頼りにされること、仲間がたくさんいて笑顔で暮らせることなど、色々な幸せがあります。そのような生活をするために、仕事をどのように活用するかを考えれば「あなたにとって仕事とは」という問いの答えが見えるのではないでしょうか。

就職活動で創る「人生の指針」

就職活動でなければ考えることはないかもしれないこのような事柄は、自分を深堀することで皆さんを2段階3段階と成長させます。社会人として良い第一歩を踏み出すためにインターネットなどに頼りすぎず、自分事として考えてみてください。それが、今後の人生の指針になるはずです。

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インターネットに答えはない「面接対策の鉄則」

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「あなたにとって仕事とは」の正解って...

ある学生がエントリーシートを書くときにインターネットで調べまくっていたので「何してるの?」と訊いてみると「どういう風に書くのが正しいのかなと思って...」と答えてくれました。エントリーシートを見せてもらうと「あなたにとって仕事とは」という設問があったので、その質問を指差し「そうか...答えは見つかったの?」と訊いてみました。「よくわからないんですけど「社会貢献」「やりがい」あたりで書くのが良いかなって思いました」と言ってくれました。

お題は「あなたにとって仕事とは」です。大切なのは「あなたにとって」という言葉。エントリーシートの設問はすべて「あなた」のことを訊いています。面接対策でインターネットを見る行為は問題ないですが、インターネットで答えを探す行為は問題です。インターネットで、どのように書くのが正しいかを探して、正解を探る。これって「あなた」の回答ではなく、世間一般の回答になってますよね。考えてみてください面接で面接官が質問をする。そうすると、どこかから持ってきたような「世間一般」の解説が返ってくる。いくら質問しても模範解答的な回答しかない。このような学生を欲しいと思いますか。

面接練習での苦悩

私は一日に20人30人の面接練習を行う機会が良くあります。その時に、何人もの学生がある質問に対して、まるで金太郎あめのように同じ回答が返ってくることがあります。ネットや就職本に書いてあるような模範解答ばかり聞いている私は、その状態に辟易としてしまいます。たまに、自分の言葉で自分の回答をしてくれる学生に会うと「この子欲しい」と思います。まるで砂漠の中でオアシスを発見した気分です。その意見が稚拙な場合もありますが、それでも「この子のこともっと知りたい」と感じます。私が採用者だったとすれば、自分が所属する組織に合っているかどうかを精査し、稚拙ではあっても合うならば欲しいと感じると思います。

面接対策の弊害

また、こんなことを言われたこともあります。「学校はいいよね。卒業して送り出すことで終わりだから...」ある大手企業の営業部長と就職試験の話をしている中で言われた言葉です。この営業部長は私の一番信頼する仲間なのですが、そんなこと言われ腹が立ちました。でも実際に採用後の新人たちを見ている人の言葉は重いです。

企業は新人たちを教育しなんとか1人前にしなければならないが、学校は卒業してしまったらもうそこで終わり。さらに、学校の最終目的が就職することになっている気がする。本来であれば目的は幸せな生活を送るための能力を身に付けるべきなのに、もう少し学校で教育がきちんとできないのだろうか。 下手すると、挨拶もまともにできない新人が入ってきたりする。新人にとっては自分の能力以上のことをやらされ、会社にとっては足手まといになり、お互い不幸だと思う。面接のときにはしっかりと受け答えをしていたのに、本質を理解せずテクニックだけの面接対策や練習を相当こなしてきたんだと感じる。学校は集団生活の中で社会性や人間性を育てるのが役目ではないのか。

耳の痛い話です。私たち教員もしっかりと受け止め、努力していきたいと考えています。また、学生たちにもわかって欲しいと切に願います。「面接のときにはしっかりと受け答えをしていたのに、本質を理解せずテクニックだけの面接対策や練習を相当こなしてきたんだと感じる」面接練習は悪いことではないとは思います。しかし、インターネットや就職本で正解を探し、それを流暢にさらにはエピソードを盛りながら良く見せることに注力した対策や練習は不毛ではと感じます。

自分の行動と考えを語る

時間はかかりますが、自分の行動を振り返り、考えをしっかりと創って面接に臨んでほしいと考えています。 

 

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相互不理解が不毛な会話を生む「コミュ力って?」

 ある面接での出来事

「〇〇君、その考え方さっきの発言と矛盾してない?」ある学生が面接で面接官から言われた言葉です。皆さんならこの面接官の発言に対してどのように答えますか?

この学生は、自分の発言に矛盾はないと考え、矛盾してないということを説明をしたそうです。でも、面接官には理解してもらえなかったようです。その学生にもう少し訊いてみました。「面接官が矛盾していると言ったのは、なんでなのかな?」答えは「わからない」でした。「ということは面接官の考え方が理解できなかったということ?」と訊くと「理解できませんでした」と答えてくれました。「どうして理解するために、どこが矛盾しているか聞かなかったの?」という問に関しては「面接中に訊いてはいけないと思ったんです」との答え。

さて、この面接は双方にとって有意義なものだったのでしょうか。お互い理解せず会話が進んでいく。理解していないので会話がすれ違う。不毛な面接だと私は思うのですがいかがでしょうか。

面接官に対し、どこが矛盾していると感じたかを訊き、理解する。その理解したことに対して同意する、もしくは、自分の意見を言うなどの方法をとっていれば、お互いにとって納得いくものになったのではないかと考えます。

 ある面接練習での出来事

またある時、彼と面接練習をしているときに沈黙の後、困った顔をしらながら「社会貢献したい」と返答してきたことがあります。私はその表情に「本音ではない」「取り繕っている」と感じました。そこで、面接練習を中断して「本当はそう思ってないよね」と訊いてみました。その時の彼の答えは「私の言い方が悪かったです」「だから、伝わらなかった」というのです。「どこが悪かったの」と訊くと「わからない」との答え。「なぜ「本当はそう思っていないよね」と私が言ったのか理解している?」と訊くと「理解していません」とのこと。

さて、この面接練習は彼にとって有意義なものだったのでしょうか。お互い理解せず会話が進んでいく。理解していないので会話がすれ違う。不毛な面接練習だと私は思うのですがいかがでしょうか。

彼は私の考え方に同意する必要はないと私は思います。私の考えを理解したうえで、違うと思ってくれるのであれば、それはそれです。しかし、理解出来ていない段階で「私の言い方が悪かったです」というのは、指導しようとしている私にとって、むなしい返答です。彼にとっても、理解できなかったという事実が残るだけで、何の利益もない時間だったのではと思うと、私は責務を果たせなかったという気持ちで申し訳ない思いです。

 理解することの大切さ

理解するまで訊き、理解するまで聴くことの大切さを理解して欲しいと思い、その後も彼とは話し合いを続けました。理解してくれていることを祈ります。

相手を理解しようとする気持ち。分かり合うことで協力し合い前に進む気持ち。自分では持っているつもりなのですが、時に自分のせい、時に相手のせいにしてしまいシャッターを下してしまっていることに気付いてほしいと心から思います。

理解するまで聴き続ける。理解したいと心から思う。私もなかなかできないのですが、その心を持ち続けることが、成功を創るものです。 

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社会人は誰に対して責任があるの?「社会人と学生の違い」

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❖ 社会人と学生の違い」学生の考え

「社会人と学生の違い=責任の違い」などと言いますが、本日はこれについて考えていきたいと思います。

先日、社会人と学生の違いについて学生が「責任の違い」と答えてきたので、「責任って何?」「どのように責任が違うの?」と訊いてみました。「給料ももらうから、義務も発生するし...ノルマもあるし...やらなきゃいけないことが沢山出てくる...それが責任」と答えてくれました。なるほどと思い「じゃあ社会人ってつまらないね」「学生の方が楽しいね」と訊くと「そう思う...」とのこと。

❖ 会人と学生の違い」視点を変えて考える

それでは、寂しいので少し視点を変えて質問してみました。「学生の本分は勉強することだよね。勉強は誰のためにするのかな?」答えは明白「自分のため」です。他にも学生として行ってきたことを考えると、多分「自分の成長のため」「自分の将来のため」ではないでしょうか。このように考えると学生が持っている責任は自分に対しての責任であることがわかります。やり取りの中でここまで理解してくれたようなので、ここでもう一度、訊いてみました。

「社会人は誰に対して責任があるの?」

そうすると、わかった!!という顔をして答えてくれました。

「社会人は他者に対して責任がある」

「その責任を果たすことで報酬を得ることができる」

そうです。学生と社会人の違いを考える時、様々な視点はありますが、責任のベクトルという視点で考えると、学生は「自分に対して責任を持つ」社会人は「他者に対して責任を持つ」ということになります。

❖ 会人と学生の違い」を考えると楽しくなる

学生時代とは自分の成長に注力し、社会という集団の中で役割を果たせるように訓練していきます。その成長がある段階になると「他者に対する責任」を持つ社会人になっていきます。当然、社会人になっても、自分が成長を続けることは大切であり「自分に対して責任を持つ」ことは当たり前です。そのうえで「他者に対する責任」を持ち「他者の幸せ」を創りだすことによって社会から必要とされる人間になっていくのです。

「社会人になる」とは、今まで成長し続け培ってきた自分の能力を使い、人から必要とされる行為を行い、人から感謝され、さらには報酬までもらえる実践の場と考えるとどうでしょうか。

社会人と学生の違いを責任の違いと考えるのであれば「自分に対しての責任」のみを持つ学生、「自分に対する責任」と「他者に対する責任」の両方を持つ社会人、という考え方。さらには「他者に対する責任」が「他者の幸福を創り」「他者から必要とされ感謝される」という考え方。

こう考えると社会人になることが楽しみになりませんか?

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ブログ再開

12月も半ばになってやっと落ち着いてきたので、ブログを再開してみようと考えています。今年はゼミで新潟県十日町市白倉地区の集落活性化事業などを学生と共にやっていて、集落を紹介するマルシェやコメ販売のECサイト立ち上げなど行っています。そのため就職指導以外の業務でバタバタとしており、このブログどこまで続くかはわかりませんが、頑張ってみようかと思っています。

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今後ともよろしくお願いします。

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小休止です

授業・ゼミ・就職指導などなど忙しすぎて更新がなかなかできません。12月まで小休止で、次年度の授業準備の時期が始まったら復活予定です。今年一年、学生と共に成長させていただき、また復活させていただく予定です。

人は自分で長所を気付かないものかも…

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◆皆さんは自分の長所を語れますか?

学生がよく自己PRで「私の長所は〇〇です」と言ってきます。これを聞いていると少し不思議な気分になります。   例えば、「忍耐力がある」と言う言葉で考えてみます。「忍耐力がある」には苦しみ辛さなどに耐える力があるという意味があります。どんなに辛いことにでも耐えられると言うことです。でも、忍耐力があるとプレゼンするわけですから、その学生は苦しかったり辛かったりしたわけです。   でも、本当に忍耐力があると評価される人は苦しみや辛さに耐えることなど、当たり前と思っているのではないか、と考えてしまうのです。当たり前だからこそ、耐えられると思うのですがいかがでしょうか。

そのような人たちの気持ちを聞くと忍耐力があると感じる事柄に対して「苦しい」とか「辛い」などと考えていない場合が多いです。そのことに対して「やりがいがある」とか「挑戦できて楽しい」と考えていたりします。なるほど、と思います。だからこそ、続けていくことができる。だからこそ、周りから忍耐力があると思われるわけです。   「当たり前のことを当たり前にやっているだけ」さらには「楽しいから、面白いからやっている」本当にそのような能力がある人は、そのことを「特筆すべきことでは無い」と思っているのではないかと私は考えています。

◆ある学生に驚かされた話

たまに学生の話を聞いていて、思わず「お前スゴイな」と言ってしまうことがあります。その時、それを言われた学生は「エッ…何がですか」と大抵言ってきます。   何年か前、高校時代9人の女子サッカー部で11人制サッカーを戦い抜き、県大会で優勝した話をしてくれた学生がいました。「助っ人を頼んだの」と聞くと「いえ、9人で戦いました」と普通に話してくれました。「だって、チームが9人なのだから当然じゃないですか」彼女は、それが特別なことと思っていなかったようです。   さらに、その上のいくつかの県の優勝チームが集まる地方大会で敗れ全国大会へ行けなかったことが悔しくて今も忘れられないそうです。本気で全国大会を目指し日々頑張っていた姿が目に浮かびます。

なかなか珍しい例ですが、彼女にとっては本当に当たり前の事だったようです。当然、彼女は自分に忍耐力やチャレンジ精神があると思っていないので、それなの言葉は自己PRには全く入っていません。 彼女にとっては本当に当たり前の事だったようです。しかし、彼女の自己PRは、行動を語ることで、彼女のあきらめない気持ちや厳しい練習に耐える忍耐力を非常に感じるものになっていました。

◆本当の長所って自分では気付かないかも

  結局、就職活動が終わる最後まで、彼女は自分のあきらめない気持ちや忍耐力が、長所だとは思っていなかったようです。長所ってそんなものじゃないかと私は思います。自分では当たり前と思っているから、最後まで気づかない。でもその行動や考え方を語ると、周りが気づいてくれる。彼女の例は特殊ですが、そんな自己PRが良い自己PRだと私は思います。