社会人としての考えを創る就職活動

就職活動は人間性教育と考える就職担当の話

資格は就職にどのくらい有利??

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資格を就職に活かすよく言うけど...

学生やその保護者から就職のために「簿記の資格くらい持っておいた方が良いですか」と聞かれることがよくあるのですが、この質問はいつも返答に窮します。簿記の資格は持っていた方が良いのですが、私と学生、私と保護者の感覚に多分乖離があるからです。例えば「英語は喋れた方が良いですか」「留学しておいた方が良いですか」「サークルでリーダーをした方が良いですか」「ゼミに入った方が良いですか」などの質問も同じです。

資格やスキルを最大の武器にして、就職活動に臨むと特殊な技術が必要な仕事以外では、失敗の可能性が大きいです。資格やスキルが有った方がないよりも就職活動を有利に進めますが、それは最大の武器にはなりません。また、就職で有利になることを目的として「留学をする」「ゼミに入る」「サークルでリーダーを行う」などを行っても、それを行ったから就職が決まるわけでもありません。ほとんどの企業の就職試験では目立ったスキルや資格を一番に望んでいるわけではありません。

もし、資格・実績・スキルが採用基準だったら

学生や保護者の多くは形ある資格や実績・スキルが就職活動を有利にする最大の武器だと考えている場合が多いのですが、新卒採用ではそこを一番に見ていません。考えてみてください。もし、実績やスキル、それを証明する資格が採用基準だったとしたら、社会人経験者の方が仕事につながる直接的な実績やスキルを持っていると思いませんか。社会人経験のない、これから教育が必要な新卒を採るよりも、中途採用の方が良い人材を集められます。

日本以外のほとんどの国がこの考えのもと、新卒一括採用はしていません。新卒も中途も同じ土俵で、今までの実績や経験から採用されていきます。そのため、新卒は卒業後にインターンシップなどをしながら実績や経験を積み、そこからの採用となります。このような社会であれば、就職のための実績を積む資格を取ることが最も大切だと思います。

採用基準は「一緒に働きたいか」

では、日本の企業の採用基準はというと「一緒に働きたいか」の一言で言い表せます。実際、ほとんどの会社の人事が採用基準は「結局は、共に働きたいと感じるか」「一緒に働いたら楽しいだろうな」「こんな子を育ててみたい」などと言います。つまり、資格そのものよりもそれを取るための努力、役職や実績よりもそのチームの中で何を行ったかが大切です。ある企業では、簿記などの資格や、TOEICなどの能力試験を一生懸命受験して成果を出してきた真面目なタイプと一緒に働きたいと思うでしょう。また、ある企業では、サークルリーダーとして皆をフォローし、苦労しながらまとめ上げたようなタイプと一緒に働きたいと思うでしょう。結局、企業によって、その社風によって、欲しがる人材は違います。でも、言えるのは資格やスキルよりも人間性で採るか採らないかを決めているということです。

簿記やTOEICなどにはぜひ挑戦してください。リーダー経験や留学も機会が有ればぜひ行って下さい。

「簿記の資格は持っておいた方が良いですか」の質問に対し「資格は持っている方が良いと思う」「ただし、企業は資格そのものよりも、その資格を取得するための努力や頑張りをどのようにしたかを評価するけど」と返すようにしています。それは、採用基準が「一緒に働きたいか」だからです。

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