社会人としての考えを創る就職活動

就職活動は人間性教育と考える就職担当の話

インターネットに答えはない「面接対策の鉄則」

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「あなたにとって仕事とは」の正解って...

ある学生がエントリーシートを書くときにインターネットで調べまくっていたので「何してるの?」と訊いてみると「どういう風に書くのが正しいのかなと思って...」と答えてくれました。エントリーシートを見せてもらうと「あなたにとって仕事とは」という設問があったので、その質問を指差し「そうか...答えは見つかったの?」と訊いてみました。「よくわからないんですけど「社会貢献」「やりがい」あたりで書くのが良いかなって思いました」と言ってくれました。

お題は「あなたにとって仕事とは」です。大切なのは「あなたにとって」という言葉。エントリーシートの設問はすべて「あなた」のことを訊いています。面接対策でインターネットを見る行為は問題ないですが、インターネットで答えを探す行為は問題です。インターネットで、どのように書くのが正しいかを探して、正解を探る。これって「あなた」の回答ではなく、世間一般の回答になってますよね。考えてみてください面接で面接官が質問をする。そうすると、どこかから持ってきたような「世間一般」の解説が返ってくる。いくら質問しても模範解答的な回答しかない。このような学生を欲しいと思いますか。

面接練習での苦悩

私は一日に20人30人の面接練習を行う機会が良くあります。その時に、何人もの学生がある質問に対して、まるで金太郎あめのように同じ回答が返ってくることがあります。ネットや就職本に書いてあるような模範解答ばかり聞いている私は、その状態に辟易としてしまいます。たまに、自分の言葉で自分の回答をしてくれる学生に会うと「この子欲しい」と思います。まるで砂漠の中でオアシスを発見した気分です。その意見が稚拙な場合もありますが、それでも「この子のこともっと知りたい」と感じます。私が採用者だったとすれば、自分が所属する組織に合っているかどうかを精査し、稚拙ではあっても合うならば欲しいと感じると思います。

面接対策の弊害

また、こんなことを言われたこともあります。「学校はいいよね。卒業して送り出すことで終わりだから...」ある大手企業の営業部長と就職試験の話をしている中で言われた言葉です。この営業部長は私の一番信頼する仲間なのですが、そんなこと言われ腹が立ちました。でも実際に採用後の新人たちを見ている人の言葉は重いです。

企業は新人たちを教育しなんとか1人前にしなければならないが、学校は卒業してしまったらもうそこで終わり。さらに、学校の最終目的が就職することになっている気がする。本来であれば目的は幸せな生活を送るための能力を身に付けるべきなのに、もう少し学校で教育がきちんとできないのだろうか。 下手すると、挨拶もまともにできない新人が入ってきたりする。新人にとっては自分の能力以上のことをやらされ、会社にとっては足手まといになり、お互い不幸だと思う。面接のときにはしっかりと受け答えをしていたのに、本質を理解せずテクニックだけの面接対策や練習を相当こなしてきたんだと感じる。学校は集団生活の中で社会性や人間性を育てるのが役目ではないのか。

耳の痛い話です。私たち教員もしっかりと受け止め、努力していきたいと考えています。また、学生たちにもわかって欲しいと切に願います。「面接のときにはしっかりと受け答えをしていたのに、本質を理解せずテクニックだけの面接対策や練習を相当こなしてきたんだと感じる」面接練習は悪いことではないとは思います。しかし、インターネットや就職本で正解を探し、それを流暢にさらにはエピソードを盛りながら良く見せることに注力した対策や練習は不毛ではと感じます。

自分の行動と考えを語る

時間はかかりますが、自分の行動を振り返り、考えをしっかりと創って面接に臨んでほしいと考えています。 

 

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