社会人としての考えを創る就職活動

就職活動は人間性教育と考える就職担当の話

企業研究に企業理念って大事なの??

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企業理念や社是・フィロソフィーなどなど、企業研究を行う中で見かけることもあると思います。実を言うとあの企業理念や社是は企業研究の中で最も重要なものなのです。だって、企業の根幹を示す考え方なのですから。

でも、企業理念や社是はなんか大きなこと過ぎてよくわからないと思いませんか。ここで、本田技研工業(株)のホンダフィロソフィーを紹介します。

基本理念

「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び・売る喜び・創る喜び)

社是

わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。

運営方針

・常に夢と若さを保つこと。

・理論とアイディアの時間を尊重すること。

・仕事を愛しコミュニケーションを大切にすること。

・調和のとれた仕事の流れを作りあげること。

・不断の研究と努力を忘れないこと。

ホンダフィロソフィーは、「人間尊重」「三つの喜び」からなる"基本理念"と、"社是""運営方針"で構成されています。ホンダフィロソフィーは、ホンダグループで働く従業員一人ひとりの価値観として共有されているだけではなく、行動や判断の基準となっており、まさに企業活動の基礎を成すものといえます。ホンダは「夢」を原動力とし、この価値観をベースにすべての企業活動を通じて、世界中のお客様や社会と喜びと感動を分かちあうことで、「存在を期待される企業」をめざして、チャレンジを続けていきます。<本田技研工業株式会社HPより引用>

さて、いかがでしょうか。すごく大きなこと言ってますよね。でも、本田技研の社員たちはこのフィロソフィーをよりどころに仕事をしているのです。本田技研という会社を考えるとき、この考え方に立ち戻って指針とされているものと理解してください。この、フィロソフィーに対して本気だと思える次のようなエピソードがあります。
ホンダが1970年にアメリカで施行されたマスキー法のCAA基準(排ガス規制の基準)をクリアする低排気エンジンとしCVCCエンジンを開発していたとき、本田宗一郎(本田技研工業創業者)はこの法律に反対していたビックスリー(当時世界を牛耳っていたアメリカの自動車メーカー3社)打倒のチャンスと捉えた。しかし、ホンダの開発技術者たちは排気に含まれる大気汚染物質を減らし、子どもたちの未来に良い環境を残すために開発をするのだと、宗一郎の考え方に異を唱えた。彼らは競争に勝つことを開発の目的にするのではなく、自動車産業の社会的責任を果たすというより高い視点に立って開発に取り組んでいた。CVCCエンジンの開発を成功させることは、ホンダという一企業にとっても大きなメリットをもたらすが、開発技術者たちは、それ以上により大きな社会的な善(社会善)に自らの仕事の意義を見出していたのである。これを聞いた宗一郎は自分の狭い見方を恥じ大局的な見方を失いつつあると感じて引退の時期を悟ったという。(野中郁次郎 ハーバードビジネスレビュー 賢慮のリーダーより引用)

本田宗一郎氏は本田技研工業の創業者で名経営者と呼ばれた人ですが、この事件をきっかけに自ら引退を選んだそうです。企業の価値観(基本理念・社是・運営方針など)とはこれほど重いものなのです。

当然のことですが、採用に当たってこの価値観と異なる人は採りません。逆に、この価値観と同じベクトルを持った人は是非欲しい人材となります。志望企業の企業理念や社是を読み、それがどのように社員に浸透しているかを会社説明会などで実感してください。もし、それが実感でき、ワクワクしたとしたら、その会社を受験してみるべきです。また、そのワクワクを語ってください。それが、良い志望動機になっているはずです。