社会人としての考えを創る就職活動

就職活動は人間性教育と考える就職担当の話

リーダー経験がリーダーシップを創るってホント??

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❖学生が良く語るリーダーシップ

自己PRでリーダー経験を語る学生が良くいます。リーダー経験を語る学生によく「リーダー経験で成長したことを教えて」と聞いてみることがあります。「指導力がつきました」「皆を引っ張る力がつきました」「リーダーシップが身につきました」などと答える方が多くいます。リーダーシップと答えた学生に「君にとってのリーダーシップとは」と訊いてみると「指導力・引っ張る力」と答える方も多くいます。本当にリーダーシップは「指導力・引っ張る力」なのでしょうか。

また、そのPR内容を見ると「部全体のレベルアップを図ることが出来ました」「〇〇人の集客を達成しました」など成果を語る学生が多いです。「それは君の成果なの」と訊くと「リーダーとしての自分の成果」と答える方も多いです。チームの成果を自分の成果とする学生...このような学生にリーダーシップはあるでしょうか。

逆に「リーダー経験がないからリーダーシップはない」という学生もいます。リーダーを経験しなければリーダーシップという性質を得ることはできないのでしょうか。学生の話を聴きながらいつも頭の中が「???」だらけになってしまいます。

❖リーダだけが持っていてもしょうがないリーダーシップ

リーダーにはチームを導く力が必要ですが、チームが成功を収めるためにはリーダーのチームを導く力だけでは不可能です。チーム員が心から目的の達成を望み、協力し合う場を創る努力をする必要があります。

全員が組織の成長を望み、全員が組織のことを考え、全員が組織を良くするために動く、このような組織は成長すると思いませんか。目的を理解し、その目的に向かって全員が能動的主体的に動く組織は理想です。それを、創りだす力がリーダーシップであり、それは一人のリーダーの力ではなしえないということです。

❖リーダシップに対する私の持論

少し私の自論を紹介します。チーム全員のベクトルを一つに合わせる「協調性」、自ら考え行動する「主体性」、さらには、チームを成功させる覚悟をもって物事に取り組む「責任感」、この3つを兼ね備えた人はチームを成功に導くと思いませんか。さらにそういう人だけで作られたチームがあったとすれば、そのチームは必ず成功を収めると考えられないでしょうか。つまり、リーダーシップには三本の柱があり、それをチーム構成員全員が持つ努力をするべき、と私は考えています。

1つ目の「協調性」は相手に合わせることではありません。誠実に考え、素直に受け入れた上で、コミュニケーションをとること。そのコミュニケーションをベースにベクトルを合わせていくこと。この2つのことを行うのが「協調性」です。全員で考え、一番良い方法を探り、他人を理解する努力を怠らず、全員で一つのベクトルを向く。これが、チームの一員として必要なことです。これをチーム全体が持たないと、いくらリーダーのチームを導く力が高かろうと目的を達成することが出来ません。
 
2つ目の「主体性」は勝手に動くこととは違います。自らの考えをチームにぶつけ、チームの理解のもと、チームを良くするために自ら動くことです。「権限」と「義務」をしっかり理解したうえで、義務を果たすための方策を自ら考え動く。当然、動く際には、チームからの承認をしっかりと取って、チームの協力も仰ぐ。このことが大切です。
 
3つ目の「責任感」は一生懸命頑張ることではありません。「成功させる覚悟」のことです。自分が受けた義務を最低100%果たし、ほとんどの場合100%以上の成果を上げる。覚悟ができていればそれが当然のこととなります。

❖リーダシップは人間性の総合力

この、3つが備われば「成功を導く場」を創り上げることができると思うのですがいかがでしょうか。また、チーム全員がこの力を持ったチームは最強のチームになると考えられます。要するに、リーダーシップとは人間性の総合力と私は考えています。今まで上げてきたコミュニケーション能力・責任感などの「企業が選考にあたって重視した項目」は、是非、意識して経験の中で培って欲しいと思いますが、それを培うことで「リーダーシップ」は必然的についてくると考えています。

最初の疑問に戻りますが、リーダー経験がリーダーシップを創るわけではありません。また、チームに成果が出た時にリーダーシップのあるリーダーは、成果を出してくれたチームに感謝の気持ちしかないのではと考えます。皆さんもチームの一員としてリーダーシップを発揮してみませんか。

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今日は「着目する視点」について考えてみた...

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❖卒業生が遊びに来てくれると嬉しい

先日ある地方の国立大学の事務職員をしているゼミの卒業生が学校に遊びに来てくれました。ある研修でCCRC(継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)のことを聞いたと話してくれました。CCRCとは仕事をリタイアした人が第二の人生を送る街のことであり、朝日新聞では下記のように解説されています。

「Continuing Care Retirement Community」の略。直訳すると「継続的なケア付きの高齢者たちの共同体」。仕事をリタイアした人が第二の人生を健康的に楽しむ街として米国から生まれた概念。元気なうちに地方に移住し、必要な時に医療と介護のケアを受けて住み続けることができる場所を指す。政府は昨年、有識者会議で「日本版CCRC」構想をまとめた。高齢者の地方移住を促すことで首都圏の人口集中の緩和と地方の活性化を目指す。(朝日新聞群馬県版2016.9.16より引用)

❖CCRCは本当に大学と無関係か?

卒業生がCCRCと自分の仕事の接点が見出せていなかったようなので、少し、視点を変えてみるように促してみました。

大学の顧客としての高齢者という視点

www.n-r-h.biz

リタイア世代は純粋に自分の興味のあることを学びたいという方が多いです。(私の周りの話で数字的根拠を調べてはいません)その方々がリタイアしCCRCへの移住を考えた時に、学ぶ仕組みがその移住先にあるという選択は魅力的なのではと思います。(需要を調べたわけではないので本気で考える場合はデーターを取る必要はありますが...)その意味では大学の職員として考える価値があるものです。

大学生と高齢者の交流という視点

news.yahoo.co.jp

大学生とのコミュニティがある街は高齢者にとって新鮮で魅力ある街ではないでしょうか。高齢者だけのコミュニティで暮らす場合と比べ刺激が違います。大学がCCRCを併設するという仕組みを創ることが出来れば、大学にとって新たな収益源になると考えます。コミュニティを創る仕組みは考える必要がありますが、そこをクリアできればビジネスとして面白いと思います。

高齢者の知を提供する場を創るという視点

sc.cyber.t.u-tokyo.ac.jp

高齢者が若者を支えるという考え方は今後高齢化社会を迎える中でマストな考え方ではないでしょうか。高齢者が社会貢献する仕組みを創るために、大学は最適な研究機関だと思います。また、その仕組みを創ることが出来れば世の中を変える位のインパクトがあるものになると考えます。

それを合体させたアメリカの事例

大学連携型リタイアメント・コミュニティ ~生涯学習が高齢者のライフスタイルを変える! | プラチナ社会研究会

アメリカにはCCRCで大学連携型があるようです。ということは日本でも市場性がある可能性はあるということになります。環境が違うので一概には言えないですが、調べてみる価値はあると思います。

卒業生と話した時には「大学の顧客」「大学生と高齢者の交流」という視点で話をさせてもらったのですが、その後、その視点をまとめてみました。それぞれの視点で考えると地方の大学においてCCRCは面白いテーマだと思います。

❖考える視点を変化させ組み合わせ考えを作ろう

このブログの中で視点を変えることや引き出しを多く持つことが大切であると話してきましたが、引き出しを多く持つことを前提として、視点を変える訓練をすると今まで見えなかったものが見えてきます。ビジネスを行う上で、この能力は大きな武器となります。

是非、学生時代から視点を変える訓練を行ってほしいと思います。また、卒業生にも視点を変える訓練を続けて、出来るビジネスマンになって欲しいと考える今日この頃でした。

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伝えたいという気持ちと伝えるテクニック

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❖面接でのプレゼンテクニック満載の「映画の予告編」

毎年、この時期の面接対策の講義で、面接でのプレゼンテクニックの話をします。テクニックの話はあまり好きではないのですが、伝える力は伝えたいという気持ちを持つことと同じくらいに、伝えるテクニックも大切と考え少し紹介します。

まずは、次の2つの映像をご覧ください。

www.youtube.com

www.youtube.com

よく、秀逸な自己PRとして映画の予告編を学生に紹介しますが、この2つは紹介する中で私が最も好きなものととなります。1分程度の短い時間の中で、本編を見たいと心から思わせるこれらの動画と同じように自己PRできたら最高です。ルーキーズはSDS法・魔女の宅急便は時系列法というでプレゼンした例となります。SDS法・時系列法については後日解説するとして、本日は学生がやりがちなプレゼンと、なぜそれがいけないのかについておはなしします。

❖学生がやりがちな自己PR

ルーキーズ卒業に出てくるニコタマ野球部部員の自己PR①

私の長所はあきらめないことです。高校時代野球部では甲子園を目指し、苦しいこともありましたが、様々な努力を続けました。最後まであきらめなかった結果、甲子園に出場できました。

魔女の宅急便の主人公「キキ」の自己PR①

私の長所はあきらめないことです。一人前の魔女を目指し、苦しいこともありましたが、様々な努力を続けました。最後まであきらめなかった結果、人命救助もできました。

さて、2つの自己PRを見てどう思いましたか?「高校時代野球部では甲子園を目指し」が「一人前の魔女を目指し」に変化し「甲子園に出場」が「人命救助も」に変化しただけで、他の部分は同じものです。この自己PR少しだけ文章を変化させれば、どんな人でも使えます。

例えば、私の自己PR

私の長所はあきらめないことです。学生全員が幸せな就職をすることを目指し、苦しいこともありましたが、様々な努力を続けました。最後まであきらめなかった結果、学生の就職率100%を達成することができました。

実はこの文章、自己PRとして何も言っていないのと同じなのです。「様々な努力」これでは何を行ったかわかりません。「最後まであきらめなかった結果」どんな考えでどのようにあきらめなかったかわかりません。つまり、この自己PRは具体的とは言えないのです。少し変化させただけで誰でも使える自己PRはPRになっていないと考えてください。大事なのは「様々」を具体例(どのような行動をしたか)であげること。その時の考えを伝えること。つまり、何を何故そうしたかです。

❖面接官のことを考えた状況説明と場面ピックアップ

この、2つの自己PRを次のように変えるとどうでしょうか

ルーキーズ卒業に出てくるニコタマ野球部部員の自己PR②

「あきらめない気持ちが成功を創る」高校時代野球部で培った信念です。365日毎日6時間の練習。「一緒に行こうな」を合言葉に頑張った日々。指の骨折を隠し試合に出ようとした時の「お前だけが痛いんじゃない皆が痛いんだ」という仲間の言葉。勝ち取った甲子園が私の誇りです。

魔女の宅急便の主人公「キキ」の自己PR②

一人前の魔女を目指し、空飛ぶお届け便が生業でした。飛べずに、箒と一緒に心が折れた日。「箒が運ぶんじゃない私が運ぶんだ」という気持ちで取り組んでいきました。嵐の時、風速30mの中、遭難者救出した時の「あきらめなければ何でもできる」という気持ちは忘れることができません。

さて、このような自己PRは状況説明や場面が入っているため、パーソナルなものとなり他の人が使うことはできません。このような自己PRが良い自己PRだと私は考えます。

人は仲間としゃべるときわかり合っていることを前提に話をします。そして、学生時代はそれで通じます。しかし、初対面の自分を全く知らない人に対してプレゼンするときには、相手の立場を考えて文章構成する必要があります。

新卒の面接の場合、考え方や、モチベーションの泉源が知りたいわけですから、状況を出来るだけ簡潔に客観的に説明するための「365日毎日6時間の練習」「風速30m」などの数字や「指の骨折」などの状況を説明する言葉。さらには、考え方やモチベーションの泉源を示唆する友人の言葉や自分の考えなどの場面。これらを提示することが面接官のニーズに合致します。

そのように考えて、皆さんも自分だけの自己PRを是非作ってください。

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成功を創る責任と権限の考え方

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❖責任って「自分の事として一生懸命頑張ること」ではない...

自己PRなどの中に「責任感がある」という言葉を使う学生がいます。そのような学生に「責任感があるってどういうこと?」と聞くと、エピソードを話してくれたりします。その中には、責任感について話していないように聞こえる学生がいます。ある時その学生に「責任」の意味を聞いたら「自分のことと考えて一生懸命頑張ること」と答えてくれました。確かに中学校や高校で「自分事として行動する」ことを目的に、教員が責任感を持とうなどという場合もある気がします。

❖責任を取るためには「成し遂げる」という結果が大切

でも、社会人としての責任感は違う気がします。責任とは「立場上、当然負わなければいけない任務や義務」であり、「成し遂げる」という結果が大切です。つまり、責任感とは「成功させる覚悟」のことだと私は思っています。責任が「負うべき義務」な訳ですから、それを感じる心である責任感は「必ず義務を果たす」という思いであるべきです。ドラマなどで「責任をとりますからその仕事を任せてください。」などという場面に出会うことがあるのですが、これは「私に失敗はありません。必ず成功させますから、その仕事をやらせてください。」と同義で、責任感がある人にとって、めったに使う言葉ではありません。責任を全うするために必要なのは「成功させる覚悟」イエスと言ったからには、必ず絶対にやり遂げることではないでしょうか。

また、辞書では「自分のした事の結果について責めを 負うこと。特に、失敗や損失による責めを負うこと」も責任の意味として書いてあります。政治家や組織の責任者が何か失策を犯した場合に使うので、このような意味が定着したと思われます。「責任をとって辞めます」などの使用法です。本来であれば「責任が取れないので辞めます。」が正しい用法なのではと思ってしまいます。片方の意味である「立場上当然負わなければならない任務や 義務。」を果たせなかったのですから、責任はとっていませんよね。

社会では「責任感がある人」は「一生懸命やる人」でも「自分事として考える人」でもありません。当然、結果にコミットしてくださいと言いたくなります。「責任感がある人=成功させる人」です。イエスと言ったからには、必ず、絶対に、やり遂げるのが責任感と考えます。

❖学生の皆さんって権限持ってる?

また、責任と対で使われる権限という言葉があります。学生に「高校時代の生徒会には権限あるの?」と訊くと「ない」と答え、「権限を持った生徒は高校に存在するの?」と訊く「いない」と答えるので、「じゃあ、誰が権限を持っているの?」と訊いたら「学校長のみ」と答えてくれました。それも寂しい答えですが、学生にとっては確かにそうなのかもしれません。


権限とは責任と共に与えれるもので、社会では「組織内で任せられたある目的を達成するために、個人がその立場で持つ権利、権力」のことです。管理職にならなくても責任を任された場合は権限も持ちます。たとえば、飲食店のアルバイトが、お客様が来た時に自分の判断で席に案内すること、なども自分の判断で出来る範疇も権限です。権限がなければ仕事をすることは難しいです。そのことを踏まえて自分の権限を考えてみてください。

組織の目的と自分の権限を把握し、連絡・報告・相談を繰り返しながら、仕事を進めることが出来る人が仕事が出来る人となります。アルバイトやサークルで責任と権限について考えながら活動してみてください。そして、目的を達成してください。そのような行動が社会人としての訓練になり、面接で話すべき事柄になっていきます。

❖覚悟って大事...

仕事本気で考えて覚悟をもって取り組む人を何人か見たことがあります。自分の権限をフルに使い覚悟を持って物事に取り組む姿...その覚悟を感じた私は、その人たちに惚れ「チョーカッチョイイ」と思いました。そして、今は自分もそうなりたいと努力しています。

良い企業の見分け方ってどうすれば...

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❖ナンバーワンを探せ!!!

さて、エントリーや企業説明会が解禁となり本格的な就活シーズンが始まりまりした。業界研究や企業研究、インターンシップなどを経て、企業選びも真っ盛りとなります。こんなシーズン学生から「企業の数が多すぎて何を目安に企業を選んだら良いか分かりません!」などとよく言われるのですが、確かにその気持ちわかります。本当に企業は沢山ありますよね。そのようなときに学生には「ナンバーワンを探せ」と話すようにしています。そして「そのナンバーワンは何でもいい」とも言います。どんなジャンルでも良いのでトップを張っている企業が入るべき企業です。別に大手企業である必要はありません。

例えば、皆さんは日本精機という企業をご存知でしょうか。自動車・バイクのメーターの国内最大手で世界でもトップシェアを誇る会社です。例えば、ジャムコという企業はどうでしょう。旅客機のギャレー(厨房)・ラバトリー(便所・洗面所)メーカーでラバトリーに至ってはグローバルシェア50%を誇っています。エアバックの欠陥で有名になってしまいましたがタカタという企業知っていましたか。エアバック・シートベルトのグローバルシェア20%の会社でした。ここまでの会社は東証一部二部上場の大企業ですが、中小企業でも光る企業は沢山あります。シンワ測定という会社は資本金9500万円・従業員195人の中小企業ですが、金属スケールの国内シェア70%を誇っています。本当に何でもよいのです。例えば地域トップ、定年後のじいさんからの支持トップ、ヲタクからの支持トップ…etc.2位3位じゃダメかという声がありそうですが、必ず1位です...局地戦で良いのです。必ず1位が必要です。ちなみに、業界2位3位あたりをさまよっている日産は、EVではトップなど優良企業は必ずどこかでトップ張っています。

ランチェスターの法則

なぜナンバーワンかというと、企業はナンバーワンでなければ生き残れないからです。当然、皆さんは生き残る企業に入りたいのではないかと私は思っているのでナンバーワンに入れとなるわけです。マーケティング基本法則に「ランチェスターの法則」というものがあります。現代戦において戦力は兵力の二乗に比例するという法則です。もし、詳しく知りたい方はインターネットに幾つも解説がありますので検索してみてください。

少しわかりやすく言うと、商品力が同じで面積が1:2の2つのコンビニがあった場合、売上げは1:4なるという法則です。良く考えてみてください。今まであったコンビニの隣に、同じような品揃えで、店員の質も同じ、売り場面積だけが2倍のコンビニが開店したら、店員さんとの人間関係がない限り大きいコンビニを使いませんか。(あるコンビニはこの手法を実際に行っているといつも感じます...弱い者いじめ戦略!!)

ちょっと言い方を変えると「強いものが必ず勝つ」という法則です。皆さんがモノを買う時には自分が必要なものを、一番良い店で一個だけ買いますよね。良いものは皆にとっても良いものなので、皆がそこで買うんです。そして、選ばれなかった企業は、売れないから利益が出ず、効率の悪くなり生き残ることができません。その繰り返しで企業はつぶしあっていると考えると良いと思います。今ある会社が10年後まである確率は10%で20年後は1%というのが嘘偽りのない事実なのです。

❖トップの効用

さらに、トップであれば「商品に誇りを持てる」「営業しやすい」「会社に誇りを持てる」「もし転職を考えたとしてもそのノウハウを欲しがる企業がたくさんある」など働く上での特典もたくさんあります。

その特典を謳歌するためにも、自分の納得できるナンバーワン企業を探してください。そして、その視点で企業を観察してください。

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貧困に陥らないための就職活動

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❖地方出身者の悩ましい問題

地方創生などが叫ばれる中、地方都市の学校で就職指導を行っていると、ちょっと悩ましい問題にぶつかります。高校を卒業して、進学の際に地方住みを選択した学生には3種類います。

まずは、地元好きで地元から出たくないという学生。次に、家族がその地方から出ていくことを許さないために、地方住みを選択した学生。最後は、自分の学力レベルと勘案して丁度よい学校がたまたま地元にあったため、なんとなく地元の学校に進学した学生。

このような学生たちに用意された就職には幾つかの選択肢があります。まずは、地元の一流と言われる企業。一概には言えませんが上場企業で考えてみると、筆者の働いている県にはJASDAQまで含めても38社しかありません。東京の1827社に比べると1/50です。また、自治体職員などの公務員もありますが、採用人数は限られています。その他、オンリーワンの技術を持つ中小企業も多数存在しますが、選択肢は狭いです。その、狭い選択肢の中で地元就職を目指すか、視野を広げて首都圏、さらには全国まで考えるか。就職活動はその選択から始まります。地元好きな学生にとって見たら本当に悩ましい問題です。就職指導担当としても相談されることがあるのですが、できる限り客観的に事実を述べるにとどまり、選択は学生が行っていきます。

❖プライベートまで考えた人生のキャリア

このような時のアドバイスとしてよく「プライベートまで考えた自分のキャリアを考えること」と言います。プライベートでキャリアというのもおかしいですが、そのように話すことで、生活全般でどのように自分が成長したいかを考えさせます。

例えば、地元で仲間たちと共に助け合いながら暮らしていく人生も楽しいです。当然、仕事をしっかりとこなしながら、地元を良くするために考え、祭りや行事などを自らが創りだし、地元の為を思う人生は有意義で人生のキャリアとしてはありだと思います。例えば、仕事での成長を第一に考え、地元・首都圏など土地に縛られない就職活動を行い、自分の人生を創っていくのも良いキャリアだと思います。例えば、若いうちは仕事でキャリアを磨くことを最優先にして、将来的に、そのキャリアで地元に貢献するという考え方も良いと考えます。

❖都会へのあこがれで就職ってちょっと危険

しかし、学生の中には「ちょっと待った!!その考え危険!!」と思える志望先の決め方をしている方がいます。「なんとなく都会は楽しそうだから…」「都会に憧れるから…」「都会には刺激が沢山あるから…」などの理由で首都圏の就職を考える学生達です。

なぜ、その考えが危険かを知る分析を、昨年のゼミ生たちが行っていたので、少し紹介します。このゼミ生たちは女子の貧困についての研究をしていました。その中でコミュニティの大切さという視点から貧困の分析をしていました。女子の貧困についての研究の一部ですが、男性にも当てはまると私は考えています。

❖貧困の仕組みを考えよう

 貧困に陥るか陥らないかは、能力の有無、コミュニティーの有無で決まる。能力があり様々なコミュニティーに参加している人は「リア充」と言い、最も充実した人生を送れる。能力のみ持つ人は「ソロ充」と言い、能力を使うことで貧困に陥る事は無い。能力はないがコミュニティを持つ人は「プア充」と呼ばれ、コミニュティがあることで貧困に陥ることがない。つまり、能力がなくコミュニティがない人が貧困に陥る可能性の1番高い人とのである。

f:id:naotan200:20170311113630p:plain また、地方に住んでいる人々にとって都会に出て働くと言う事は、もっとも大切な「家族」「仲間」と言うコミュニティを捨て「企業」と言う今ではセイフティーネットとして機能しなくなっているコミュニティに依存すると言うこととなる。この選択は高度成長期であれば「企業」が終身雇用や年功序列等の保護機能があったため有効であった。しかし、そのようなセーフティーネットとしての機能がなくなった企業に依存して上京すると言う選択は危険が伴う。能力があれば「企業」からは保護されるが、能力がなければ捨てられる。つまり、コミュニティから疎外されるということになる。

f:id:naotan200:20170311113419p:plainさらには、高い目的意識があった場合も、その目的意識が努力を生み能力を創りだすと考えられるため、コミュニティから疎外される確率は減ると考えられる。そのため、 地方からの上京は、高い目的意識か高い能力のどちらかが必要となる。1番やってはいけないことは「なんとなく、憧れで上京する」と言うことである。なんとなく、働いていれば、なんとなく、給料が上がって、なんとなく、生活できる。今、このような生活は過去の遺物となっている。

こんな感じの分析でした。安易な上京が貧困を招くという考え方が面白いので紹介してみました。いかがだったでしょうか?

❖しっかりとキャリアを考えての選択で幸せをつかもう

自分の将来のキャリアをしっかり考えた上での選択であれば、地元就職でも首都圏に就職するのでもどちらでも問題ないと思います。しかし、今現在の楽しさを優先した選択は危険です。将来を見据え、キャリアUPをどのようにしていくのか考え選択してくださることを祈っています。

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「人の気持ちを考えて行動する」ってどういうこと?

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❖人の気持ちを考えることは大事だけど...

自己PRで「私は人の気持ちを考えて行動することが出来ます」と言ってくる学生がいます。女子学生に多いのですが、この言葉を聞いた時、私はそこにいる学生すべてに質問します。「人の気持ちを考えて行動する人、手をあげて...」そうするとほとんどの学生が手をあげます。そうなんです。人の気持ちを考えて行動する行為は、ほとんどの学生が行っているのです。そのため「私は人の気持ちを考えて行動することが出来ます」というのを自己PRで使うのは得策ではありません。

でも、仕事上で人の気持ちを考えて行動することは重要です。場面場面で、お客様や上司・同僚・部下・取引先などの気持ちを考えた上で、その人に対し利益をもたらす行為をすることが仕事だからです。そのように仕事を続けていると「仕事で貢献できる人」という評価を受けます。人の気持ちを考えた先にある「他者に対して利益をもたらす行為」というベクトルで考えていくとエピソードが出てくるのではないでしょうか。

❖他者に対して利益をもたらす行為とは??

仕事の経験のない皆さんにとっては「他者に対して利益をもたらす行為」が「仕事で貢献できる人」であるということが具体的にどういうことなのかなかなか結びつかないと思います。ちょっと次の例で考えてください。新人として仕事をする中で先輩から「○○さん、この資料のコピーをとっておいて。」と言われたとします。これに対して皆さんならどのように対応するでしょうか。

学生にこの質問をするとほとんどの学生が「資料のコピーをとります。」と答えます。もう少し詳しく話すように促すと「資料を貰って、コピー機の前に行って、コピーのボタンを押して、コピーをとります。」というように答えてくれる感じです。

筆者も新人の頃このように言われたとき、「わかりました」と元気良く答え、コピーを1部とって先輩に渡して「お前は仕事をしていない、作業をしている」と怒られたことがあります。

何を言っているか解らなかったので「どういうことですか」と尋ねると「お前は1頼まれると1で返してくる。1頼まれたときに2倍さらには3倍と大きくして返すのが仕事だ」と言われました。要するに仕事を頼まれたらそこに付加価値を付けて返せということのようでしたが、コピー1部にどうやって付加価値をつけるのかがさっぱり解りませんでした。

さらに聞くと「コピーを頼んだ書類に少し目を通したか」聞かれました。ぱっと見て月例の報告書だということは分かっていたので「月例報告書だということは分かりましたが」というと「じゃあそれは誰が見てどうファイルされるか知っているか」と聞かれました。そこで少し考えて、課長・部長が見て先輩が個人のファイルに、課長は課のファイルにそれぞれコピーをとって入れて、原本は部長が部のファイルにファイリングすると答えました。先輩は「それを知っているのなら、それぞれの分のコピーをお前がとったほうが効率良いと思わないか」と聞かれはっとしました。また「なぜおまえにコピーを頼んだか分かるか」とも聞かれました。「分からない」と言うと「おまえに報告書の書き方を勉強させるためだ」と言われました。

私は先輩からコピーをとってくれと頼まれて、その言葉通りコピーをとることを自分の仕事と思っていました。しかし、コピーをとることは仕事としては一部分でしかなく、仕事を頼まれたときに、その仕事がどういう意味があるのかを考え、組織全体がどのようにすれば効率良く回るか、他者の仕事の効率を上げるかを推理し、その推理を元に作業することが仕事だと気付きました。まったく、先輩の気持ちを考えずに、先輩の言葉だけで動いていた自分が恥ずかしくなりました。

「○○さん、この資料のコピーとっておいて」と頼まれた場合、まずコピーする資料がどのような目的で使われるかを考え推理します。この推理が人の気持ちを考える行為です。推理した上で「先輩と課長がファイルする分の2部と、勉強のために私の分が欲しいのですが全部で3部コピーしてよろしいですか。」などと確認します。3部コピーをとりクリップで留め、付箋に先輩分・課ファイル分と書いてそれぞれコピーに貼り付けて2部を先輩に渡し1部を自分でファイルします。

❖人の気持ちを考えた後の行動が大切...

さて、皆さんはこのように何かをする時、人の気持ちを考えた上で「他者に対して利益をもたらす行為」をしていますか。仕事全体を考え自分が出来ることを行う。これによって他の職員が効率的に動くことが出来て、最終的に顧客の利益になる。このような人が「仕事で貢献できる人」という評価を受け、周りから信頼される人材となっていきます。

仕事全体を見て推理し、自分が出来ることを考え、それを確認し、行動する。社会人として「他者に対して利益をもたらす行為」を行うことってこういうことです。また、企業の中で「人の気持ちを考えて行動する」とはこのようなことと思ってください。また、自己PRで「人の気持ちを考える」ことを言いたいのであれば「他者に対して利益をもたらす行為」をエピソードとして述べ、最初のキャッチとしてはその行為の先にある自分の考え方を出すべきと考えます。

人の気持ちを考えることは大切なことです。是非、その特徴を発揮して欲しいとは思います。でも、ほとんどの人が、人の気持ちを考えるので、その先の自分の考え方の特徴を言語化してください。

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