社会人としての考えを創る就職活動

就職活動は人間性教育と考える就職担当の話

できる新人になるために

 

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「できる新人」になるための考え方

「役割を担える者」は組織の宝、「役割を担えない者」は組織の癌と前にお話ししました。また、新人には新人にしかできない役割があるともお話ししました。本日は、社会人未経験で仕事のスキルがゼロに近い新人の組織の中での役割を考え、そこから学生時代に身につけた方が良い考え方をお話ししていきたいと思います。

先輩が「できる新人」に感じること

昨年の話ですが、ある若い教員が講演を受けてきてその講演に感動して帰ってきました。「学生たちに聞かせたい」彼女は講演から帰ってきた次の日私にそう話してくれました。「じゃぁ、ダメ元でやってみたらいいんじゃないの」私は彼女にそう言いました。

そこから一ヵ月、彼女はその構想を温めていたようです。その講演者はある組織の中で高い地位を持つ方で、受けてくれるかどうかは彼女のプレゼン次第だと思っていました。彼女が受けた講演の中では名刺交換をする場もなく、電話でのアポイントはまるで飛び込み営業のようなものです。でも、学生にその話を聞かせたいと言う彼女の思いは、非常に強かったようです。電話をかける前にワードで文言を精査し万全の準備で電話をしていきました。電話の横に私がいたのですが「がんばれ、がんばれ、がんばれ」という気持ちしかありませんでした。彼女はしっかりと、プレゼンを行い講演者からの承諾を得ました。電話が終わった後、彼女と話をしたら手がずっと震えていたそうです。私は彼女の勇気に感動しました。

学生を思う彼女の気持ち。現実のものにしようとするチャレンジ精神。必死に頑張る姿。何年も仕事を続けていると、いつの間にか忘れてしまうその気持ちを思い出させてくれるこの行動は私にとっては新鮮でした。

先輩が新人に感謝すること

また、上司や先輩は新人に指導や教育を行っていくものです。教員を行っていると指導や教育がを行うことで教育する側の成長が実感できる出来事が良くあります。

内気でいつもビクビクした態度を、どうしても変えることができない学生がいました。当然、就職活動もボロボロで何十社とお祈りメールをもらっている状態でした。面接練習を繰り返すのですが、どうしても雰囲気は変わりません。私から指摘されては何度も涙を流し...メンタルは相当やられていたのではないかと思います。でも、彼女はあきらめませんでした。毎日のように私のところに通い、ボロボロになりながらも試験を受け続けていました。出来ないながらに必死に取り組むその姿勢に感動すると共に、「何とかしたい」という思いが大きくなっていきました。「この子を絶対に成長させたい」「その上で合格させたい」と本気で思わせてくれました。何カ月もそれを繰り返す中、何かが吹っ切れたのか、ビクビクする感じが突然消えました。当然、ある会社に総合職で合格しました。さらに嬉しいことに、その後その会社から「是非、御校の学生に受験して欲しい」と言われるようになりました。彼女がその会社の職員として良くやってくれている証拠です。

彼女と共に合格を目指したことで、私も必死に考え視点を変えてアプローチを続けていきました。何か方策はないかと心理療法の本を読み漁り、それを実地で行い...ということを繰り返していきました。それらは、彼女がいなければ考えなかったことでした。彼女が合格した後、自分の指導力が強化されていると実感し、心から彼女に感謝する私がいました。人を成長させたいという気持ちで必死に考えることで、実は自分も成長したと感じることができる経験でした。

新人の役割を果たすために、考えなければいけないこと

新人の役割って色々あります。新人の一生懸命さチャレンジを見て、上司や先輩が自分に置き換えること。上司や先輩が新人を教育することで教育する側の成長も促すこと。その他にも、先輩に先輩としての自覚を芽生えさせること。良い意味で、今までと違う価値観を持ち込むこと。など多岐にわたります。しかし、役割を果たすためにはまず「先輩から認められる」「可愛がられる」ことが必要です。そのためには素直さ・必死さ・チャレンジ精神・コミュニケーション能力・責任感・誠実さなどがないとその役割を果たすことはできません。そのため、就職試験ではそこを見るわけです。

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